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産婦人科

産婦人科の紹介

当科では、婦人科良性疾患(子宮筋腫や卵巣腫瘍など)に対する腹腔鏡下手術および子宮鏡下手術を得意領域としています。周術期管理の工夫にも力を入れており、手術時の入院日数は全国平均よりも短くなっています。
患者さんの病状やライフスタイルに合わせ、薬物療法も含めた長期的な視点からの治療方針を提案しています。

外来診療体制について

外来診療は月曜から金曜まで1診または2診体制で行っており、すべての曜日で女医の対応が可能です。
ほとんどの婦人科疾患(過多月経や月経痛、子宮や卵巣の腫瘍、更年期障害、不正出血やおりものの異常、子宮脱や尿漏れなどの女性泌尿器疾患の診断・治療)に対応しております。 それぞれの方に丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけているため、待ち時間が長くなることがございますが、ご容赦いただけますと幸いです。

◆外来担当医表

  • 初診を除き、原則予約制となっております。
  • 当院宛の紹介状をお持ちの方でも、各専門内科(予約制)の予約をされていない方は、専門内科の受診ができない場合がございます。予約を希望の方は、かかりつけ医より当院の地域連携室までご連絡ください。
  • 諸事情により休診・代診となる事がございますので予めご了承ください。

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専門分野(鏡視下手術)について

腹腔鏡下手術

液晶モニターに映し出された腹腔内の映像を見ながら、数か所の小さな傷(5mm~15mm程度)を通して手術を行います。当院では子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、骨盤臓器脱などの良性疾患を対象に行っています。子宮筋腫核出術や卵巣嚢腫摘出術などの、臓器を温存する手術から、子宮全摘出術などの臓器を摘出する手術まで、幅広く対応しております。従来の開腹手術よりも痛みも少なく、体への負担も小さいため入院期間も短くなります。
当院での入院期間は、術式に関わらず4-5日間(術後3日目退院)を標準としております。患者さんの状態によっては、手術翌日または2日目の退院を許可することもあり、状況に合わせて柔軟に対応しています。手術の質を担保するため、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医である錢医師、宮田医師を中心として、高度で安全な手術を心掛けております。 技術認定医が着任した2014年11月以降、2024年3月までに当科で施行された腹腔鏡下手術は2000件を超えました。今では、兵庫県内では随一の内視鏡手術専門施設として、阪神間を中心に県外からも多くの患者さんをご紹介いただいています。
*当院は2015年度より日本産科婦人科内視鏡学会の認定研修施設となっています。

我々の目指す腹腔鏡下手術

腹腔鏡のメリットは、傷の小ささばかりが注目されますが、「傷が小さい=低侵襲」とは言えません。傷が小さくても手術の内容がおろそかになるようでは、腹腔鏡で手術をした意味がありません。腹腔鏡の最大のメリットは、拡大された術野を見ながら細かい操作ができることです。そのメリットを生かしながら、開腹手術よりも質の高い手術を実現して初めて腹腔鏡で手術をした意義があると我々は考えています。 当科では、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定を受けた医師を中心に高度で安全な腹腔鏡下手術の提供を目指しており、良性疾患であればほとんどの症例を腹腔鏡で行っていますので、お気軽にご相談ください。

子宮鏡下手術

子宮の内腔に発生する子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫は、子宮鏡下手術による治療が可能です。子宮鏡下手術は経腟的に手術を行うため、腹部の傷は不要で術後の痛みもほとんどない術式です。1泊2日入院での手術を基本としていますが、病状によっては細径子宮鏡を用いた日帰りでの手術も対応可能となっています。

子宮頸がん検診異常の精査について

子宮頸部細胞診異常やHPV(ヒトパピローマウイルス)陽性などを指摘された場合、精密検査が必要になります。当院ではコルポスコピーを用いた組織検査やHPV検査に対応しています。ただ検査を行うだけでなく、検査結果が意味するところや方針について丁寧な説明を心掛けています。

HPVワクチン(子宮頸癌予防ワクチン)について)

子宮頸がんは毎年多くの女性が罹患する深刻な病気ですが、HPVワクチンによる予防が可能になってきました。当科ではワクチンの接種や相談にも対応しています。
子宮頸がんとワクチンの詳細については「芦屋病院コラム」を参照ください。

悪性疾患(子宮がんや卵巣がんなど)について

がんに対する治療にも対応していますが、専門性の高い治療(リンパ節郭清や放射線治療など)が必要な場合には、専門施設をご紹介させていただきます。悪性疾患では、しばしば抗がん剤治療が必要となる場合があります。当院では婦人科医のみの判断ではなく、血液腫瘍内科と協力・相談し患者さんに最適な治療を提案しています。

女性泌尿器(婦人泌尿器、ウロギネコロジー)について

骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤、直腸瘤などの膣から臓器が下がってくる疾患の総称)や尿漏れを扱います。これらは、生活の質(QOL: quality of life)を低下させることが知られており、患者さんの数は増加傾向にあります。当院では、従来から行われてきた術式に加え、メッシュや腹腔鏡を用いた新しい術式にも対応しており、個々の患者さんにとって最適な治療法を提案いたします。

分娩(産科)に関して

当院では2010年4月より大阪大学医学部産婦人科による分娩施設集約化の方針にしたがい、分娩の取り扱いは行っておりません。当院では妊娠の診断や妊婦健診のみ行い、分娩は産科スタッフが充実し、新生児室(NICU)もある県立西宮病院に依頼し“周産期ネットワーク”を構築することで対応しています。 (帰省分娩など、分娩施設が県立西宮病院以外でも妊婦健診は可能です。)

市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークについて

妊婦健診は、超音波による胎児診断を含め、安心して分娩、出産できるように助産師とのチーム医療を行っており、何でも相談できる環境づくりを目指しています。元来元気な方でも妊娠すると大なり小なり体の変調が生じることがあり、そんな時には、必要に応じて院内各科の専門医に紹介し、迅速に対応します。
具体的には“市立芦屋病院・県立西宮病院 周産期ネットワークのお知らせ“で詳細に説明させていただいているので参照ください。妊娠が安定した頃(10週から12週ごろ)に一度県立西宮病院産婦人科を受診していただきます。その後、経過に問題がなければ、妊娠34週ごろまでは当院が妊婦健診を担当します。以降県立西宮病院へ転院し、陣痛発来や産兆(おしるし)、破水などの分娩の兆候を認めた時点で県立西宮病院に連絡、入院(分娩)となります。産後1か月検診以降の管理や母乳相談、新生児の診察などは、ご希望があれば当院で行います。

手術実績(2023年度)

全手術数(件) 380件
 腹腔鏡下手術 254件
  腹腔鏡下腟式子宮全摘出術 130件
  腹腔鏡下付属器手術(卵巣や卵管の手術) 97件
  腹腔鏡下子宮筋腫核出術 27件
 子宮鏡下手術 69件
 骨盤臓器脱手術 22件

専門医・認定医・スタッフの紹介

宮田 明未(みやた ひろみ)
役職 産婦人科 次長
略歴 H19年 神戸大学医学部卒業
田附興風会医学研究所 北野病院
大阪府立母子保健総合医療センター
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本周産期新生児学会専門医
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
母体保護指定医
臨床研修指導医養成講習会受講済
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
安田 美樹(やすだ みき)
役職 産婦人科 副医長
資格 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医
母体保護法指定医
周産期新生児医学会専門医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
臨床研修指導医養成講習会受講済
専門分野 一般産婦人科
錢 鴻武(せん こうぶ)
役職 非常勤医師
略歴 H15年 九州大学医学部卒業
聖路加国際病院
田附興風会医学研究所 北野病院
健保連 大阪中央病院
資格 日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定
専門分野 一般産婦人科
腹腔鏡下手術
宮本 愛子(みやもと あいこ)
役職 非常勤医師
略歴 S59年 和歌山医大卒業
資格 日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
日本医師会認定産業医
天満 久美子(てんま くみこ)
役職 非常勤医師
略歴 H10年 大阪大学医学部卒業
資格 日本産科婦人科学会専門医