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血液・腫瘍内科

当院では2001年4月から腫瘍内科という名称の診療科を発足させ、白血病や悪性リンパ腫など造血器疾患を扱う血液内科と、肺癌・胃癌・大腸癌・乳癌など固形癌を扱う腫瘍内科を一体化して診療を行ってまいりましたが、2012年8月に名称を血液・腫瘍内科へと変更しました。当科は血液疾患全般と固形癌(胃癌・肺癌・大腸癌・乳癌・卵巣癌等)をチームで診療する診療科です。 いかなる疾患でも治療方針の決定にはバランス感覚を維持する必要があり、そのためには個々の症例に対する「複数の人の目」による判断・評価が重要です。その目的で当院では、「血液・腫瘍内科カンファレンス」および「内科・外科合同の腫瘍カンファレンス(Tumor Board)」で複数の医師の合意のもとに治療方針を決定しています。 また化学療法に関しては、医師・看護師・薬剤師からなる化学療法委員会で十分なエビデンスに裏付けされた種々の化学療法プロトコールの登録を行い、最新のガイドラインに沿った化学療法を承認・管理しています。当院は日本血液学会および日本臨床腫瘍学会の認定研修施設であり、血液学や臨床腫瘍学を専攻する若手医師が日本血液学会認定血液専門医あるいは日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医の専門資格を取得できる環境にあります。2012年6月に新病棟が完成し、無菌室6床(完全無菌室2床)と充実した態勢となり、阪神地区での血液・腫瘍内科の中核病院としての機能を担っています。

血液内科領域では白血病・骨髄異形成症候群・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の他、様々な貧血疾患・血小板減少症などの診療も行っています。白血病や悪性リンパ腫には、エビデンスを重視した標準治療(現時点で最も推奨される最適な治療)を行い、治癒を目指した診療を心がけています。特に多発性骨髄腫の治療法は新薬の登場により大きく変わりつつあり、当院でも最新の治療戦略を取り入れています。また、適応症例には自家末梢血幹細胞移植を行っております。治癒を目指すために同種造血細胞移植など高度な医療が必要とされる場合には、大阪大学医学部附属病院をはじめ患者さんの希望に応じて近隣の専門病院と連携を取りながら診療しています。

腫瘍内科領域では肺癌・胃癌・大腸癌・乳癌・卵巣癌など固形癌の診療を行っています。
これらの癌の治療は

  1. 局所療法(内視鏡治療・放射線治療・手術療法)
  2. 全身療法(化学療法・ホルモン療法)
  3. 癌に伴う苦痛に対する治療(緩和ケア)

に分けられます。悪性細胞が局所にとどまっている場合には、治癒をめざした治療のために消化器内科・外科・婦人科などが担当することになりますが、進行癌の場合には複数の病変に対する全身療法つまり化学療法(②)が必要となるため、必然的に腫瘍内科が担当いたします。近年分子標的治療薬の登場により、化学療法の世界は飛躍的進歩を遂げました。

分子標的治療薬は癌細胞の増殖に重要とされる部分を特異的に攻撃する薬剤です。正常組織へのダメージが少なく、副作用は従来の抗がん剤より限られたものになると考えられがちですが、分子標的治療薬特有の重篤な副作用が出現することもあり、その扱いには今まで以上に専門的知識と経験が必要となっています。当院では2名のがん薬物療法専門医のもとで各疾患に対する最適な標準的治療法を行い、安全かつ最大限の治療効果が得られるよう治療に当たっています。

外来での化学療法にも力を入れており、2011年に施行した外来化学療法は296件でしたが、2014年度には500件になっています。

当院には放射線治療設備はありませんが、近隣の放射線治療施設と緊密な連携を取って放射線治療も重要な選択肢となっています。施設間カンファレンスも行っているため、当院での治療を受けながら放射線治療施設に通院することも可能で、治療効果を上げるために放射線治療を併用する化学放射線療法も行っています。また症状緩和を目的とした放射線治療も積極的に依頼しており、2015年の実績として合計14例で放射線治療を実施しました。

当院では化学療法と緩和医療とのベストミックスを目指した診療にも取り組んでいます。2012年に厚生労働省が示した「がん対策推進基本計画」の重点項目として「がんと診断された時からの緩和ケア」が掲げられており、当院では抗がん剤治療を行っている早期から緩和ケア内科や院内緩和ケアチームと連携を取って癌やその治療に伴う苦痛対策を行い、治療中の患者さん・ご家族様の生活の質を保つことを心がけています(早期からの緩和ケア)。一方で上記のような治療の進歩にもかかわらず、残念ながら血液悪性疾患や固形癌のいずれの場合でも治癒が困難な疾患が多いのも事実です。そこで当院では、患者さん・ご家族様の希望や目標を医療スタッフが共有し、その共有した希望や目標を大切にしながら治療を行うことを心がけています。そして患者さん・ご家族様の苦痛・苦悩を軽減し、より良い時間を過ごせるように、緩和医療を併行するなどの配慮を心がけています。

専門医・認定医・スタッフの紹介

西浦 哲雄(にしうら てつお)
役職 病院長
専門分野 血液・腫瘍内科
緩和医療
資格 日本血液学会専門医・指導医
日本内科学会認定内科医
総合内科専門医
日本がん治療認定医機構認定医・暫定教育医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
日本緩和医療学会暫定指導医
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
インフェクションコントロールドクター(I.C.D)認定
緩和ケア指導者研修会修了
白鹿 正通(しらが まさみち)
役職 血液・腫瘍内科 部長
専門分野 血液・腫瘍内科
国際外来担当
資格 日本内科学会認定内科医
日本医師会認定産業医
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
西本 哲郎(にしもと てつお)
役職 血液・腫瘍内科 主任医長
専門分野 血液・腫瘍内科
資格 日本内科学会認定内科医
日本血液学会専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
日本がん治療認定医機構認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本緩和医療学会緩和医療専門医
がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了
 
瀬川 浩平(せがわ こうへい)
役職 血液・腫瘍内科 レジデント