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病院長あいさつ

 令和4年4月1日より市立芦屋病院の病院長を拝命しております南 正人と申します。私は、大阪大学を卒業後、愛媛県と大阪府の医療機関で4年半の修練の後に大阪大学医学部附属病院に戻り、呼吸器外科医として診療するとともに、直近15年間は手術室の管理の仕事にも携わって参りました。ずっと大阪におりましたが、芦屋で生まれ25年間在住しておりましたので、大好きな芦屋に戻って勤めさせていただいていることを嬉しく思っております。

 公立病院をとりまく環境は大変厳しいものがあります。医療費高騰、超高齢化、人口偏在、医師偏在といった中で、世界に誇れる日本の医療保険制度を維持してゆくには、地域医療構想のもとで容赦のない公立病院改革が求められています。そもそも公的病院の役割の一つは民間病院が手を出しにくい不採算医療のはずだったのですが、不採算では公立病院は行政による統廃合の対象になります。平成24年に完成した新病院は急性期病床を大胆に縮小し、全体の3分の2を個室とした地域と時代にマッチしたものとなり、時代を先取りして経営改善に取り組んで参りましたが、慢性的医師不足や地域医療構想による病床再編など医療を取り巻く厳しい環境のもとでさらなる経営改革が望まれています。

 そのような中で、令和元年から始まった新型コロナウイルスによるパンデミックにあっても、当院は早くから帰国者・接触者外来開設、患者入院受け入れを行い、地域医療機関と連携して公的病院として頼っていただける体制を構築しました。また大きな院内クラスターや医療崩壊に陥ることなく、病院機能を維持することもできました。感染症専門職を中心とした職員全員のすばらしい功績と思います。5月から新型コロナウイルスは2類相当から5類へと扱いが変更されることとなりましたが、ウイルスが姿を変えるわけではありません。引き続き慎重な姿勢を崩さず、また今後のあらたな新興感染症への対応も視野に入れながら、ポストコロナへの診療体制の再構築と経営強化に取り組んで参ります。

 新型コロナの3年間で、受診控えによる疾病の重症化、引きこもりによる体力や気力の低下が危惧されています。私どもは、芦屋市の唯一の公的病院、中核病院として、芦屋市民の健康と生命を守って参ります。皆様の御理解と御支援が不可欠です。何とぞよろしくお願い申し上げます。

2023年4月
2022年4月 市立芦屋病院 病院長 南 正人