広報誌HOPE Plus

芦屋病院コラム

白内障について

眼科 橋村 朋

白内障とは眼の中の水晶体というレンズが濁ってくる病気です。加齢の変化で50、60歳ごろからどなたでも発症します。糖尿病やステロイド剤の長期使用などでも進行しやすいことがあります。

進行すると・・・
〇物が霞んでみる
〇光が眩しい
〇暗いところで見えにくい
〇物がぼやけて見える
といった症状があらわれ、矯正視力も低下します。 何か気になる症状があれば、眼科受診をお勧めします。

【治療法】
白内障は手術で治療可能です。濁りを取り、新しい人工の眼内レンズを入れ治療します。局所麻酔で行い、手術時間は10~20分程度です。
白内障の点眼薬もありますが、進行を遅らせるもので、進行を止めるものではありません。

当院では、日帰りでも入院でも白内障手術を行っております。
お身体にあまり負担のない手術ではありますが、手術をうけられた直後は「疲れた」とのお声も多くお聞きします。手術当日は片眼を眼帯した状態で翌朝まで安静にする必要があります。ご高齢で受けられることが多い手術なので、入院していただくとより安全です。
また、何らかの全身疾患がある場合でも他科の医師と連携して診察が可能ですので、安心して休んでいただけます。


【眼内レンズについて】

眼内レンズには、単焦点レンズと多焦点レンズがあります。
単焦点レンズですと、術後焦点が合うところは1か所で、その他のところは眼鏡でみることになります。
多焦点レンズですと、遠くも近くも見えるので(中間も見えるものもあります)、眼鏡の使用頻度はとても少なくなります。

基本的には保険適用の白内障手術ですと単焦点レンズで、多焦点レンズは保険適用外となります。
しかし、保険適用の多焦点レンズもあり、遠くと中間、もしくは、中間と近くを眼鏡なしで見えやすくすることができます。遠くから近くまでみえる保険適用外の多焦点レンズほどではないものの、眼鏡の使用頻度は単焦点レンズの方よりも減らすことができます。お支払いいただく金額は単焦点レンズと変わりません。 ただし、適応には眼底や視神経の異常がないことや、年齢、乱視の頻度が考慮されます。
保険適用の多焦点レンズを取り扱っている施設は限られますが、当院は取り扱いがありますので、ご興味のある方は診察時にお申し出ください。