広報誌HOPE Plus

事業管理者のつぶやき

Chapter6. 丸ポスト

市立芦屋病院 事業管理者 佐治 文隆

皆さん方はもう慣れっこになっておられるかも知れませんが、私のように五年半ぶりに阪神間に帰ってきた者にとって、芦屋市内のあちこちで見受けられる郵便ポストが新鮮に感じられます。そう、あの赤くて丸いクラシックなポストです。帽子をかぶったようなユーモラスな丸型ポストは、市内89本のポストのうち19本もあり、5本に1本以上お目にかかることになります。他市に比べて目立つのも道理で、人口当たりの比率では日本で一番多いそうです。何時までも大事にしたい芦屋市自慢の一品です。


芦屋市の誇る日本一はほかにも多数あると思いますが、個人市民税の一人当たり納税額が全国トップで、さすが高級邸宅街で知られる国際文化住宅都市だけのことはあります。お金持ちはもちろんのこと、お金持ちでなくても芦屋に住んでみたいという人は多く、関西で住みたい都市ランキングで、京都市、神戸市に次いで、芦屋市は3番目にランクされています。兵庫県で二番目に面積が小さな自治体であることを考えると、この知名度・人気の高さは驚異的です。

市民の住環境への関心が高いことは、数年前に「豪邸以外不可条例」など他市では想像もつかない条例が可決されたことでもよく判ります。第二次世界大戦後、市はパチンコ店、ボウリング場、映画館などの遊戯施設や町工場を許可しなかったことも、先人の環境保護への強い意志が感じられます。

もっとも私の記憶では、茶屋之町に「芦屋会館」通称「アシカン」と呼ばれる芦屋市唯一の映画館が、私の大学生の頃までひっそりとありましたが・・・。いま、芦屋市は皆さんもご存じの通り「芦屋庭園都市」宣言を行い、この美しい町つくりを一歩も二歩も進めているところです。


わが国に丸型ポスト(正確な名称は「郵便差出箱1号」です)が登場した1949年に遅れること数年の1952年に芦屋病院が開院しました。病院創立60周年を迎える2012年の完成をめざして、新築病棟の設計が着々と進んでいます。新病院は「あしや」のイメージにふさわしい外観と内装、設備を持つ建物を考案中です。市民に愛される病院、丸ポストに負けないほのぼのと暖かみのある病院、そして何よりも住民に一番信頼される病院として、全国一をめざしたく思います。

(2009.12.18)